飛行検査官

地上の施設を、空からチェック

飛行機が安全に空を飛べるように、地上にある施設を空から確認している人たちがいます。それが、飛行検査官(ひこうけんさかん)です。最新の機材と様々なデータ、そして「正しく、厳しく確認するんだ」という強い気持ちで空の安全を守る、飛行検査官にお話を聞いてみましょう。

仕事の内容を教えてください。

大空を飛ぶ飛行機は、安全のために地上の様々な施設を利用しています。これらの施設が正しく動いているか、航空局の「飛行検査機」を使って確認するのが私たち飛行検査官の仕事です。施設の確認は、飛行検査機で実際に飛行しながら行います。その方法は施設の種類によって様々ですが、飛行機が飛ぶのにもっとも厳しい状態でも十分に安全であるかどうか、色々な測定機材を使って確認しています。

飛行検査官になったきっかけはなんですか?

高校卒業後の浪人生時代、友人の誘いで航空保安大学校の入学試験を受けたことがきっかけです。もともと航空関係の仕事に就きたいなと思っていましたが、航空保安大学校に入学した後、飛行検査の仕事を知り、現在の仕事をすることになりました。あのとき、浪人したおかげで飛行検査官になれた、というわけです(笑)。

飛行検査官の仕事をするうえで、こころがけていることはなんですか?

みなさんがどこに行くときでも、便利にそして安全に飛行機を利用できるよう、飛行検査官として正しく、かつ厳しく安全性の確認をするよう心がけています。

どんな時にやりがいや喜びを感じますか?

飛行検査をするには検査機を飛ばす前に、様々な検査機材やデータの準備など、やることがたくさんあります。これらの準備がちゃんと行われ、効率良く飛行検査をすることができたときは、お酒がおいしく飲めます(笑)。 特に、検査でおかしな所を発見し、それをちゃんと直すことができたときは「自分たちの確認によって、不具合や事故を防げたかも知れない」と思い、ちょっとうれしくなります。

逆に一番辛かったことはなんですか?

地上の施設を整備するのは、とても大きな苦労と努力が必要です。しかし、その施設を飛行検査した結果があまり良くなく、結果を整備した方々に説明するときは、いつも心苦しくつらく感じます。でも、これも飛行機を安全に飛ばすためだ、と信じて正しい検査と説明をしています。

この職につく方法を教えてください。

高校を卒業したら、航空保安大学校の航空電子科に入学して、2年間、航空保安施設の維持管理の勉強をしてください。その後、数年間、現場で経験を積めば、飛行検査の仕事をすることができます。

最後に小中高生へメッセージをお願いします。

世の中は、どんどんグローバルになっています。特に航空業界は世界とのつながりが重要になっていくと思います。大きな視野で物事を判断できるよう、いろんな経験を積んでください。また、世界の人々と堂々と話ができるよう、英語の勉強もしっかりしておいてください。