航空管制官

大空を指揮する

全国各地の空港などで飛行機が順序よく離着陸できるように、また空中での衝突を防止するためにパイロットに無線を使って飛行方法を指示するなど空の交通整理の仕事を行っているのが航空管制官(こうくうかんせいかん)です。例えば東京国際空港(羽田空港)では1日に1,000便以上の離着陸があり、航空管制官は24時間体制で空の安全を見守っています。それでは、航空管制官に話を聞いてみましょう。

仕事の内容を教えてください。

空港で働く航空管制官の仕事は大きく分けて2種類あります。ひとつは空港でひときわ高い建物「管制塔」で行う仕事です。管制塔では離陸・着陸の許可や地上走行の経路などをパイロットに指示しています。どのような飛行機も管制官の指示無しに飛行することはできません。もうひとつは「レーダー室」での仕事です。レーダー室ではレーダーを使用して空港から遠く離れた飛行機を滑走路まで誘導したり、空港から離陸した飛行機を目的地の方向に誘導する仕事を行っています。また、空港の他に全国に4カ所ある「航空交通管制部」で勤務する場合もあります。航空交通管制部では高々度を飛行している飛行機に対して様々な指示を出しています。

航空管制官になったきっかけはなんですか?

子供の頃から飛行機や空港の雰囲気が大好きでしたので、大学を卒業するときに航空管制官採用試験を受験しました。また、国家公務員であることも魅力の一つでした。

航空管制業務の仕事をするうえで、こころがけていることはなんですか?

どのような状況でも冷静沈着に判断してパイロットに指示を出すことです。ちょっとした判断ミスが大きな事故につながることもありますので、常に緊張感をもって業務を行っています。

どんな時にやりがいや喜びを感じますか?

悪天候や緊急事態発生など、難しい状況をチームワークで乗り切り、パイロットから感謝されたときは大変にうれしく思いますし、やりがいを感じます。

逆に一番辛かったことはなんですか?

実地訓練中は、なかなか自分の思うようにパイロットに指示が出せず何度もスランプになりましたが、毎日家に帰ってからその日に経験した出来事を復習して次の日の訓練に臨み、スランプを克服しました。確かにつらい経験でしたが、そのときの経験が今に役立っています。

この職につく方法を教えてください。

人事院と国土交通省が実施する航空管制官採用試験(大学卒業程度)に合格し、航空保安大学校(大阪府泉佐野市)に採用されなければなりません。航空保安大学校では1年間にわたり航空管制業務の基礎や航空法、航空気象学などを学びます。航空保安大学校を卒業後、全国各地の空港・航空交通管制部などに配属され、実地訓練を行った後、技能試験に合格すると航空管制官として仕事ができるようになります。

最後に小中高生へメッセージをお願いします。

航空管制官とパイロットの無線でのやりとりは原則として英語で行われますので、ある程度の英語力は必要です。(航空管制官には3年に1回英語の試験があり、一定のレベル以下の場合は仕事ができなくなってしまいます。)ただし、航空管制官は通訳ではありません。一番重要なことは、飛行機が安全に飛行できるように的確に判断しパイロットに指示を与えることですので、英語は意思伝達の手段でしかありません。したがって、航空管制官を目指す方は文科系・理科系にこだわらず幅広く学習したほうが良いでしょう。